電子書籍

iPad mini2

もう紙の書籍は買わないということは、ここで何度か書いたと思う。一部の雑誌や書籍を除けば、活字媒体はすべからく電子書籍化されるべきだと考えているからだ。

特にゴミになることが前提の雑誌と新聞は、業界をあげて電子書籍化を進めるべきだろう。

これまで電子書籍はiPadで読んでいたが、デカくて重いので、新たに電子書籍専用にiPad mini2 16GBを導入した。サイズも重さもちょうどいい感じだ。

今後、iPadはゲーム専用ということになるだろう。

なお、iPad mini2に必要なアプリをインストールしてログイン情報などを登録し終わって、ふと音楽ストリーミング用のアプリもインストールしようと思い立った。

早い話が、読書の際にBGMをかけてみたいと思ったわけだ。

iPad mini2だと横になるなどリラックスした状態で電子書籍が読めることから、音楽などかけたいなと思ったようだ。

音楽と読書の両方が簡単に手元で実現するのは、タブレット端末ならではということなんだろうな。しかしiPad mini2のスピーカが貧弱なため、Apple TVを導入してTVから音を出すか、音質の良いヘッドフォンかイヤフォンを追加しようか真剣に悩み始めている。

ブックパス読み放題の期間限定問題

前回書いたAUのブックパス読み放題における期間限定問題だが、AUによるとAndroidアプリであればダウンロードができるので、期間限定中にダウンロードしておいてあとで読むことができるそうだ。

アプリを削除しても読めるのか、スマートフォンを機種変更しても読めるのか、分からないが、とりあえずAndroidであれば、前回指摘した問題は当らないと言うことになる。

一方、私も使っているiOS端末では、Safariブラウザを使ってオンラインで読むためデータをダウンロードできないから、期限が来たらもう読めなくなってしまう。

せっかく本棚と言う機能があるんだから、本棚に入れたらダウンロードしたのと同じように扱ってくれて、あとで何度でも読めるようにしてくれれば最高なんだがなぁ。

ブックパス読み放題から梅図かずおが!

数日前にAUのブックパス読み放題に梅図かずおの漫画がズラッと登場したことを書いたが、昨日の時点で読み放題ではなくなっていた。

読み放題には、期間限定と言うのがよくあって、多分、そういうことなんだと思うが、個人的には、期間限定読み放題をやるくらいなら読み放題にするな、と考えている。

どういうことかというと、そうやって一部を読ませて、続きは買ってね、という魂胆が見え見えなのだ。

ということは、実はAUが読み放題に真剣でないと言うことだ。

だったら、読み放題なんて止めてしまって、時々無料を繰り返せば良いのである。なぜ読み放題というシステムを維持しようとするのか。それは、読んでも読まなくても毎月小金が入ってくるビジネスモデルが美味しいからである。

結局のところ、消費者のことを真剣に考えていないと言うことだろう。

ちょっと支離滅裂になったが、読み放題を普及させ、その利用者を増やして花開かせるつもりなら、小賢しいことはやめて、ひたすら読み放題のカタログ充実に努めるべきだと考える次第だ。

ブックパス読み放題に梅図かずおが!

ここで何度か書いたが、私はAUのブックパスの読み放題を手塚治虫全集としてソフトバンク契約のiPadで読んでいる(当たり前だが、AUの契約も別のスマートフォンでしている)。

この読み放題は、なかなかカタログが充実しないが、手塚治虫の漫画がいつでも読める、読み直せるというだけで、私には十分な価値がある(全集を家に置くことができる人は、そんなにいないだろう)。

で、知らない内に、この読み放題に梅図かずおが追加されていたのだ。全集とは言えないと思うが、メジャーな作品は網羅されているようだ。

早速、「14歳」全41巻を読んでみた。リアルタイムにも読んでいたはずだが、全体のストーリーはまったく覚えていなかった。

今、漂流教室を読み始めたが、やはり覚えている内容とは微妙に違っている。猫目小僧とか、まだまだ先は長い。

これから読み放題に、赤塚不二夫、石ノ森章太郎、横山光輝、などなど、どんどん追加されていったらよいなぁ。

ブックパスがちょっと嬉しくなった

ここで何度か触れたAUの電子書籍定額読み放題サービス、ブックパスだが、これまでの私の書き方からも分かるように、あんまり評価していないし、そんなに好きでもない。

その最たる理由は、いつまで経ってもカタログが充実しないということと、相も変わらずシリーズ1巻のみ期間限定で読み放題という姑息なやり方を続けているからだ。

私に取ってのブックパスは、あくまで手塚治虫全集読み放題的なサービスであり、その意味がなければ、とっくに解約している。逆に言えば、手塚治虫全集定額読み放題というサービスが、300円/月とかであるなら、そっちに乗り換えるであろう。

ところが、ここへ来て、ブックパスを使っていて嬉しくなる変化があった。ブックパスには、Softbankで言えば、ビューンに当る雑誌の読み放題も含まれている。まぁ、この雑誌の読み放題についても色々と文句があるのだが、こまかいことは置いておく。

で、以前は、DIMEの電子版に掲載されていなかった「伊集院光の深夜27時の買い物(かいぶつ)」が9月号から掲載されるようになったのだ(8月号を見たら載ってなかったので9月号からだと思うが、ずっと読んでいなかったので確信はない)。

ここで何度も書いているように、私は、雑誌と新聞は、すべからく電子版オンリーになるべきと考えている。それは、雑誌や新聞の多くは、読み捨てられることが前提、つまりゴミになることを前提に木を切って紙を作り(あるいは再生され)、インクで印刷され、エネルギーを使って大気を汚しつつ搬送され、広い在庫スペースや店頭スペースを占有して消費者に届けられる。しかも読み捨てられてゴミとなり、その処理も同様に大変なリソースを費やすし、微細であっても社会問題の一因になり得るからだ。

また電子化されることで、情報が共有しやすいというメリットもある(電子化すると利益が減るとか、職が減るとか、議論になることがあるが、この情報の再利用部分で利益を上げたり、新しい事業が創出されたりしてトントンか、それ以上のメリットがあるんじゃないのか、というのが私の考えだ)。

だから雑誌の読み放題サービスとか大歓迎なのだが、どういうわけか、電子版になると掲載されないコンテンツがあるのだ。前出の「伊集院光の深夜27時の買い物(かいぶつ)」もそうだった。

著者が電子化を嫌うとか、何か権利関係で電子化できないとか、そういうことなら分かるが、必ずしもそんな誰もが理解できるはっきりした理由ではないようだ。

で、こういうことをやられると、出版社は、電子化に積極的ではなく、結局は紙版を売り続けたい、何とか紙版を買ってもらいたいと思っているんだろう、と考えざるを得ない。

もちろんビジネスなので、それはそれでも構わないが、私のように、本来活字好きで、数年前までは大量の雑誌や書籍を購入していたのに、もう紙に印刷された書籍や雑誌は極力買わないと決めている人間がいるんだから、もったいない限りである。

脱線したが、DIMEの電子版に「伊集院光の深夜27時の買い物(かいぶつ)」が掲載されるようになったので、今後もブックパスを喜んで使い続けようと思った次第である。今後は、更なるカタログの充実を願うだけだ。

ブックパスは正念場かな

ここで以前も触れたAUのブックパスだが、読み放題という点が革新的ながら、なかなかカタログが充実せず、このまま行けば失敗ということになりそうな気配が漂ってきた。

読み放題のキモは、カタログの充実度にある。ところがブックパスの読み放題は、何やら「一週間限定で一巻目だけ読める」サービスに注力してしまっていて、肝心の読み放題のカタログがまるでダメダメだ。

一巻を読んで気に入ったら二巻以降も買ってください、というのは、過去にも電子書籍ストアでは行われてきたことで、全然目新しくない。

二巻以降の値段設定も通常の値付けで、どこが「読み放題」なのか、全然分からないし、辻褄が合っていない。

今のところブックパスは、AUのスマートパスに加入していれば7月末まで無料だから、それまでは利用するが、このままなら7月末で利用は止めることになるだろう。私はスパートパスも全く使っていないので、そちらも同時に止めることになる。

コンセプトは素晴しいので応援したいが、このまま失速して尻窄まりになってしまう気がする。

Dモーニングは素晴しい

週間コミック雑誌「モーニング」のiOS端末向け電子書籍「Dモーニング」なるものが開始された。

詳細は
こちらで分かるが、月間500円の購読方式になっている。

ここで何度か書いたが、私は、新聞と雑誌は、一部を除けばすべからく電子書籍化されるべきと信じている。それは、新聞と雑誌が、ゴミになることが前提のメディアだからだ。

大量のゴミとなることが分かっているメディアをいつまでも売り続ける時代でもあるまい。

印刷版が一冊330円のところを、Dモーニングでは月に500円とした値段設定も非常によい。

印刷版に比べれば半額以下だが、それで私のように日頃モーニングを買っていない読者に10倍売れれば全く問題ないだろう。その内に発表にはなると思うが、どんな購読数が出るか楽しみだ。

私は、日頃、少年マガジン、ヤングマガジン、ビッグスピリッツ、ビッグオリジナルを毎号読んでいるが、今回のDモーニング形式で、別冊少年マガジン、少年ジャンプ、少年サンデー、アフターヌーン、ビッグコミック、辺りが電子化されれば、すべて購読するだろう。

なお印刷版にあってDモーニングにない漫画があるが、新聞記事によれば、それは作者の意向によるものらしい。残念ではあるが、仕方ないことだ。それより、読めない漫画がなんであるか、そしてその理由を発表してくれているのが嬉しい。

以前ここでも取り上げた
ビューンなんかでは、やはり雑誌によって印刷版と電子版が異なるが、まず何が掲載されていないのか読むまで分からないし、その理由も定かではない。すでに、ちょっと失敗感が漂うビューンだけれど、今からでも良いのでDモーニングを見倣って欲しいものだ。

SoftbankのiPadでブックパス

先月も書いたAUのブックパスだが、なかなかカタログが充実しないので、3月末までの無料期間以降は継続せず、ついでにスマートパスも解約しようかな、と思っていたら、7月末まで無料期間延長になったようだ。

今のところ、手塚治虫作品を読んでるだけでもまだまだ十分に使えるので、7月末まで様子を見ることにした。

で、ブックパスのためにちょっと大きめな画面のSamsungのGalaxy SIIを選んだわけだが、この画面サイズだとところどころ拡大しないと読めないことがある。

解像度がコミックを読むには低すぎると言う問題もあるが、絶対的に画面サイズが足りていないのだろう。

そこで、電子書籍専用端末と化している我がSoftbankのiPad(第三世代)でブックパスが使えるようになる日を今か今かと待っていたわけだが、その点についていっこうに発表がない。

で、「ひょっとして、AUのiPadと同じ方法で読めばよいんじゃ?」と思い立ち、今日、iPadでブックパスを開いてログインを試みた。

iPadでブックパスを使うには、ブラウザでブックパスのページを開き、ログインするらしい。そして、ログインするにはAUお客様サポートというアプリを使うらしい。

というわけで、まずは、AUお客様サポートをダウンロードしてAU IDとパスワードで認証を行う。

認証が行われたら、ブックパスページでログインを行うと、AUお客様サポートでの認証が自動で行われて、ブックパスでのログインに成功した。

これでSoftbankiPadでもブックパスが使えるようになった。とは言え、どうやら、これまでGalaxy SIIで使っていた本棚の内容は継承されないようだ。何か継承する方法がありそうだが、とりあえず読み放題しかダウンロードしていないので、再度ダウンロードし直せば良いだけだ。

今更言うまでもないが、iPadを横にして見開き状態で、拡大したりせずに読めるのはストレスもなく快適至極だ。これは、やはりRetinaディスプレイのおかげなんだろうな。

こうなると、8月以降も継続して使う芽が出てきた。あとはカタログの充実に期待するだけだな。

ブックパスとSoftbankのiPhone

前回、AUのブックパスを使うために、SamsungのGalaxy S IIに機種変更したことを書いた。

その後、何と、AUがブックパスをSoftbankのiPhoneにも解放すると発表があった。

ということは、私が電子書籍を読むために使っているメインの端末、iPadでも使えるようになるに違いない。

これは非常に嬉しいことだが、であれば、Galaxy S IIは要らなかったかな、とちょっと後悔している。

Android 2.3の試験用端末が要るから、無駄にはならないんだけど、別の端末の選択肢もあったわけだ。

今のところ、AUでブックパスを使っている場合、そのままSoftbankのiPhoneでも利用できるようになるのか、まったく別途契約が必要なのか分からないが、予想では、同じアプリを使うことによって、ログイン情報が共用できるような気がしている。

いずれにしろ、問題は、ブックパスで読み放題になるコミックの充実度だろう。現状では、一通り読みたいコミックを読み終わったら、解約という事例が続出しそうなほど、品揃えは貧弱だ。

Galaxy S II

AUのIS-03がAndoroid 2.1の試験以外で使い道もないので、SamsungのGalaxy S IIなるスマートフォンに機種変更してみた。

なぜ、一年も前の機種にしたかと言うと、まずAndroid 2.3の試験用機が必要だったのと(Android 2.3のスマートフォンは、Docomoのを持っているんだけど、車に積みっぱなしなので)、すこし画面が大きい機種が欲しかったということがある。

Android 2.3で画面が4.7インチ以上というと、多分、他にも選択肢はあるんだろうけど、Galaxy S IIには、ワンセグとかオサイフとかの、私が使わない機能が搭載されていないのが気に入った。

あと、処理能力が案外高くて、動作はきびきびしている(一部タッチの反応が遅いが、誤操作を避けるためだろうから仕方ない)。インタフェース設計は、今ひとつだが、どうせなれるから、気にしないことにしている。

で、Androidの試験機だから、本当は画面サイズも小さい方が試験には有利なんだけど、なぜに大きめの画面にしたかと言うと、AUがこの春から始めるブックパスというサービスを使ってみたかったからだ。

ブックパスというのは、月額590円で電子書籍が読み放題というサービスだ(スマートパスに入っていないと利用できないので、合計では月額980円になる)。

ブックパスのカタログを見ると、まだまだ全然充実していないんだけど、漫画の中にずっと読みたくて探していた「鉄腕アトム別巻」があるのだ(余談だが、この作品は、iOSでも電子書籍として読むことができるが、読み放題ではない。しかし、私は、性格的にシリーズ物の1部だけ買うのを好まないので、買うとなるとアトム全巻を揃えることになり、それは、それでまた結構な出費になるので躊躇していたものだ)。

それ以外にも、手塚治虫の漫画がかなりあるので、これを順番に呼んでいくだけでも、数ヶ月は楽しめそうだ。で、漫画を読むなら少しでも大きな画面のが良いな、という判断である。

漫画について言えば、単行本が常時書店においてあるような新作はともかく、事実上、絶版に近い旧作は、電子書籍にするのが最も合理的なはずだ。

まだ正式にサービスインしていなくて、現時点では、スマートパス利用者向けの無料サービスとなっている。春になって、正式に始まってからの、カタログも充実に期待しておこう。現状のブックパスアプリのインタフェースも、何かへなちょこな感じなので、カタログの充実と共に春までに改良されるとよいな。

もっと電子書籍を

最近、私の周りでは、グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶが、密かに注目を集めている。

海外の音楽業界のマーケティングやプロモーションに明るい人達は、グレイトフル・デッドというバンドが、いかに他のメインストリームのバンドと違っているか、以前からよく知っていたはずだが、このような書籍が登場して、一般の人達も、その変わりっぷりを知ることができるようになるのはよいことだ。

私も、グレイトフル・デッドの活動については、よく知っていたので、この書籍に目新しいことは書かれていないのだが、書籍にまとまったということで、読んでみようと思い立った。

が、私は、1)置く場所がない、2)紙がもったいない、という2つの理由で、もう紙の書籍は、極力買わないことに決めている。

では、電子書籍で思って探したが、出ていないようだ。

仕方がないので、米Amazon.comのKindle Storeに行ってみたら、やはりMarketing Lessons from the Grateful Dead: What Every Business Can Learn from the Most Iconic Band in Historyがありました。

なので、私は、この本を、英語で読んだわけだが、もし日本語版の電子書籍があれば(そして、その売値が、紙版の売値から、紙、保管、流通、などにかかる経費を引いた値段なら)、そちらを買ったはずなのだ。

私の場合、元々、紙版を買う気持ちはまったくなかったので、出版社の一部が電子書籍の普及で危惧する電子書籍が紙版の売り上げを食う、という事例に当てはまらない。これは、日本語版の出版社にとって純粋な機会損失だと言える。

電子版1部だけの話ではあるが、もったいないなぁと思った次第だ。

AppStarが2.2にバージョンアップ

iPhone App StoreでAppを販売するデベロッパにとって、iTunes Connectのレポートを読み解くのは、大変な作業だ。

日本だけを対象にAppを販売しているならともかく、全世界でプログラムを販売すると、90前後の国のストアに並ぶそうで、レポートからそのすべての売上を把握するのは、至難の技と言える。特に、全世界的によく売れているAppの場合、一括して支払われてくる金額が、どの国の売上なのかを知ることは、ほぼ不可能に近い。

そのため、レポートの内容を視覚化してくれるプログラムが必要になるが、その中でもフランスDamabiaの
AppStar 2.0は秀逸だ。このAppStarが2.2にバージョンアップした。

AppStar 2.0の素晴らしいところは、自分のAppの国別の売上を管理できるだけでなく、カテゴリ別のランキングやコメントも確認できるところだ。さらに競合製品を100ヶまでフォローして、そのランキングやコメントを確認できるので、マーケティングに大いに利用できる。

今回のバージョン2.2で一番面白いのは、海外のレビューを自動翻訳してくれる機能だろう。これまで海外のストアに現地の言葉で書き込まれたほとんどのレビューは、無視するしかなかった。

自動翻訳の心もとない訳文とは言え、肯定的なことを言っているのか、否定的なのかを推測するには十分だろう。

なお、日本のデベロッパにはあまり関係ないが、前バージョンでのMac App Storeに続き、今バージョンでiBook Storeにも対応したそうだ。出版業界の方々も、将来の電子書籍時代の到来に備え、チェックしておいてもよいかもしれない。

電撃コミックジャパン

アスキー・メディアワークスが、日本初のiPad、iPhone、PC向けの描き下ろし電子コミック雑誌と謳う、電撃コミックジャパンの1号が、iPhoneのBook Walkericonという無料のAppから購入可能になった(ちなみにiPad版のBook Walkerはこちらicon)。

今号は、無料で公開されたプレ創刊号icon付きで、900ページ以上あり、読み応えも十分だし、連載の質も決して低くない。

この価格が、私が電子版コミック雑誌の適正価格と常々考える115円なのだ。私は、これを適正価格と見ているが、一般的に言えば、現時点では破格の価格設定だろう。

私は、まず雑誌は、すべからく電子化されるべきだと考えている。読み捨てが基本であり、遅かれ早かれゴミ化する雑誌が、紙と言う媒体から解放されれば、大量のゴミが減ることになる。

次に、電子雑誌の適正価格が115円と考えるのは、単純に、紙、インク、配送、などの経費がない分、売価は安くならなければならないと思うからだ。

個人的な考えだが、例えば、私は、週刊コミック雑誌を、毎週3誌買っている(それ以外にも隔週の雑誌を買ったり、不定期に買っているものもあるが)。

実は、もっと多くの雑誌を買いたいと思っているのだが、紙版だと、読むシーンが限られてしまい、これ以上の雑誌を一週間で読みきれないので、3誌にとどめているのだ。

仮に、すべてのコミック雑誌が電子化されれば、どこでも読めるようになるので、少なくともあと2誌は買うようになるだろう。

しかも、値段が各誌115円となれば、読み切れるかどうかは度外視して、とりあえず毎週思いつくだけのコミック雑誌を買うことになると断言できる。

このような購買行動がコミック雑誌の購読者すべてに共通かどうかは分からないが、電子化することと値段を115円のような安価に設定することで、今まで買われていなかった雑誌が買われ、その発行部数が増えると共に、必然的に今まで読んだことがない漫画と読者が出会うことになる。

新しい漫画との出会いが増えれば、その漫画のファンが増えることが予想でき、その単行本が売れる確率も高くなる。

すでに紙版が販売されている雑誌と、はじめから電子版としてスタートする雑誌を簡単に比較はできないが、今後、他のコミック雑誌も、電子化され、かつ、この115円が標準価格となることに期待したい。既存の雑誌で、紙版と価格を変えづらいなら、年間購読で大幅値引きを設定するなど、やり方はいくらでもあるだろう。

電子書籍・コミックサミットin秋葉原

11月12日と13日に、秋葉原で開催された電子書籍・コミックサミットin秋葉原に行った。

どちらかと言えば、業界側のサミットなので、全体として保守的なムードの中にあったと思うが、12日の集英社専務取締役による「デジタルコミックの海外展開」は、ちょっと面白かった。

集英社が進める日本の漫画コンテンツを一カ所に集めたジェイマンガというポータル構想と、社内で開発中の漫画のデジタルコンテンツを作成するためのソフトウェア(名称は失念)は、なかなか積極的で好感が持てる。

残念なのは、日本の週刊漫画雑誌(少年ジャンプのことだろう)の発売日と同時に、翻訳されたデジタル版を海外で発売するという構想には、日本でのデジタル版発売の予定がないと言うことだ。

翻訳したものをデジタル販売できるなら、当然、日本語のオリジナル版もデジタル販売できるはずだが、あえてしないということは、世界展開と言っても、まず海外の海賊版対策、という対症療法的な発想だと思われる。

300万部売れている雑誌で、あえて今から冒険する必要はないということだろうが、「惜しいなぁ」と思ったのは私だけではあるまい。

MacFanがZinioで...

数日前にZinioについて触れたが、日本語の雑誌としてfllick!に続いて、MacFanも発売になった。

ひょっとしたらZinioが、日本の電子書籍ストアの定番になる前触れかな、と思ったが、
MacFanの値段設定を見て、やっぱり駄目なのかな、と思い直した。

ZinioでのMacFanの値段は、1冊が600円ということらしい。これは、紙版のMacFanの730円から18%オフということだが、まだちょっと高いと思う。

もちろん、出版社や編集部だって、色々と計算して価格設定をしているわけで、600円になった立派な理由があるだろうことは、分かっている。

私が電子版が紙版より相当に安いべきだと思うもっとも大きな理由は、MacFanのような情報誌は、発売から時間が経てば内容が古くなり、その価値が下がっていく、つまり基本的には読み捨てだと言う事実にある。

読み捨ての媒体は、資源としての紙を消費する紙版より、不要になったらいつでも消去できる電子版のが相性が良い。小難しいことを言わなくても、紙がもったいないと言えば、誰でも、ある程度は納得してもらえるだろう。

また情報誌は、歴史的な価値とか、資料としての価値が将来は出てくるが、その際も電子版で検索可能にしておいた方がいいはずなのだ。

だから、この際、紙版はゆくゆくはやめて電子版に移行します、くらいの意気込みがあってもいいのではないか、と思うのだ。

さらに言えば、MacFanのようなITの世界を舞台にした雑誌は、新しいメディアに果敢にチャレンジする姿勢を打ち出し、業界全体の電子化の先陣を切り、その普及を目指すべきだと思うのだ。その点、電子版の価格設定からは、「電子版も格好いいので出してみたけど、失敗したらすぐに撤退します」という消極的な雰囲気を感じずにはいられない。

仮に1冊を600円で売るしかないなら、せめて1年購読や2年購読すれば半額とか、年間購読の料金設定を用意して欲しかった。「年間購読がないのは、失敗したら来月には撤退するための布石か」と勘ぐりたくなる。何でも海外の真似をすればいいとも思わないが、MacWorldのデジタル購読(12冊)で76%オフを見習って欲しい。

ビューンについても同じようなことを書いた気がするが、日本では、電子書籍に対して業界全体が、どこか及び腰で、エイヤッとやるところが全然出てきそうにないのが残念だ。音楽業界におけるAppleのiTunesみたいに、しがらみのない外部から救世主(あるいは破壊者)が登場するのを待つしかないのだろうか。

zinioが日本語の雑誌を発売

米国の電子書籍出版社、zinioflick!の日本語版を発売開始したというので、サイトを覗きにいってみました。

flick!自体には、あんまり興味がないんだけど、
MacWorldの購読とか、78%オフだし、そそられるなぁ。

flick!の日本語版が出たということは、今後、日本の雑誌社で電子書籍を販売したいと思っているところは、zinioと提携して発売するってこともありなのかも知れない。

iBooks Storeが全然始まらない日本においては、まだ電子書籍出版の定番が決まらないので、ひょっとしたらzinio辺りが市場を独占することも可能かもと思ったりする。

個人的には、少年マガジンとか少年ジャンプとかアフタヌーンとかモーニングとか、とにかく漫画雑誌を電子化して欲しい。ある意味、読み捨てが前提の媒体については、紙がもったいないと思ってしまうのだ。そして年間購読で78%オフとか、やって欲しいなぁ。

ビューン、削除しました

iPhoneで30以上の新聞および雑誌が読めるApp、ビューンですが、お試し期間の終了と共に削除しました。(iPad版はこちら。)

私が読みたい雑誌では、ビューン版と印刷版で、あまりにも内容が違い過ぎました。読者としては、既存の雑誌を購読するわけですから、印刷版もデジタル版も、まったく同じ内容が読める、ということが大前提です。

何らかの法的な理由で読めない内容がある、というのは理解できますので、少し内容が削られていても仕方ないのですが、現状から言うと、読める記事と読めない記事の違いが明確でなく、まるで面白い部分こそ隠しておいて、本当は印刷版を買って欲しいんだ、と言わんばかりの、宣伝用お試し版を読んでいる気持ちになります。

ビューンのホームページでは、「各メディアについて、全ての記事がお読みいただけるわけでありません」とだけ書かれていて、なぜそのような現状なのかの説明は一切ありません。(ちなみに、以前「バックナンバーの取り扱いが不明」と書きましたが、雑誌は最大12冊、新聞は最大7日分だそうです。しかし、この「最大」というのも曖昧で、曲者っぽくて嫌な表現ですな。)

出版社側は、全体のボリュームから、ページ数にして7割から8割は読めるから十分、と考えているのかも知れませんが、読者は、雑誌をそういう風には見ていません。削られた1割を読みたかったという場合だってあります。

1ページの連載があるという理由だけで、特定の雑誌を毎号買っている、という人を、私もたくさん知っています。

こういう新しい形態のビジネスが始まるとき、おそるおそる試すことも多いですが、時には「えいや」っと大きく始める必要があることもあります。ビューンには、この「えいや」っが必要だったと思いますが、現状、そのような雰囲気は感じられません。

ものすごく楽しみにしていましたし、今も将来には期待はしているのですが、とりあえず、残念ながらの削除とあいなりました。

ビューン、どうなのかなぁ?

iPhone 4でビューンを試しているが、どうにも不明な点が多くてイライラさせられる。

まず、どの雑誌のどの部分がビューンで読めて読めないのか、が分からない。読めない記事がある、という根本的な理由も理解しがたいので、ともかくその理由が知りたいと思ってしまう。

例えば、DIMEに伊集院光さんの「伊集院光の深夜27時の買物(かいぶつ)」という連載があるが、ビューンでは読めないようだ。ご自身で購入して使った商品について書いた記事のはずだが、あれがなぜ公開できないのだろう。DIMEについていえば、読めない連載記事は他にもたくさんある。

「人気連載は、紙で読んでね」ということだとすると、逆にビューンで読めている記事は、何なんだろうか?、という疑問がわく。DIMEは、話題の新商品や新製品を紹介する記事が多いわけだが、ひょっとしてメーカの宣伝になる記事をビューンで積極的に公開しているだけか、と勘ぐりたくなる。

多分、原稿料や契約の問題で、編集部で書いた記事しか公開できないというのが真実に近いと思うが、それならそれで「今後、交渉して許可が出たものから、読めるようにする」などのアナウンスが欲しいのだ。「より多くの方がビューンを購読してくれることで、記事も増える」というなら、とりあえず応援のために購読しましょう、という人も出てくるだろう。

次に、バックナンバーの扱いが分からない。雑誌なら、一度買った号は、捨てない限り、手元に残る。ビューンではどうなのだろう。それが分からない。App自体に検索機能がないので、過去の号をとっておくメリットも薄いと思うが、「前に読んだあの記事をもう一度読みたい」ということができるのか、できないのか、分からないのだ。

興味のない雑誌も多いが、450円/月なら、購読を検討するに値するAppだと思う。しかし、上記の点が不明なままなので、多分、お試し期間が終われば、削除となるだろう。

いい試みで、方向性も合っていると思うが、決して読者主体で開発されたサービス/Appでないことは、まぁ明らかだ。

こういう中途半端なことをやっていると、電子書籍ビジネスは今ひとつみたいな認識が定着するのではないかと危惧するところでもある。