電撃コミックジャパン

アスキー・メディアワークスが、日本初のiPad、iPhone、PC向けの描き下ろし電子コミック雑誌と謳う、電撃コミックジャパンの1号が、iPhoneのBook Walkericonという無料のAppから購入可能になった(ちなみにiPad版のBook Walkerはこちらicon)。

今号は、無料で公開されたプレ創刊号icon付きで、900ページ以上あり、読み応えも十分だし、連載の質も決して低くない。

この価格が、私が電子版コミック雑誌の適正価格と常々考える115円なのだ。私は、これを適正価格と見ているが、一般的に言えば、現時点では破格の価格設定だろう。

私は、まず雑誌は、すべからく電子化されるべきだと考えている。読み捨てが基本であり、遅かれ早かれゴミ化する雑誌が、紙と言う媒体から解放されれば、大量のゴミが減ることになる。

次に、電子雑誌の適正価格が115円と考えるのは、単純に、紙、インク、配送、などの経費がない分、売価は安くならなければならないと思うからだ。

個人的な考えだが、例えば、私は、週刊コミック雑誌を、毎週3誌買っている(それ以外にも隔週の雑誌を買ったり、不定期に買っているものもあるが)。

実は、もっと多くの雑誌を買いたいと思っているのだが、紙版だと、読むシーンが限られてしまい、これ以上の雑誌を一週間で読みきれないので、3誌にとどめているのだ。

仮に、すべてのコミック雑誌が電子化されれば、どこでも読めるようになるので、少なくともあと2誌は買うようになるだろう。

しかも、値段が各誌115円となれば、読み切れるかどうかは度外視して、とりあえず毎週思いつくだけのコミック雑誌を買うことになると断言できる。

このような購買行動がコミック雑誌の購読者すべてに共通かどうかは分からないが、電子化することと値段を115円のような安価に設定することで、今まで買われていなかった雑誌が買われ、その発行部数が増えると共に、必然的に今まで読んだことがない漫画と読者が出会うことになる。

新しい漫画との出会いが増えれば、その漫画のファンが増えることが予想でき、その単行本が売れる確率も高くなる。

すでに紙版が販売されている雑誌と、はじめから電子版としてスタートする雑誌を簡単に比較はできないが、今後、他のコミック雑誌も、電子化され、かつ、この115円が標準価格となることに期待したい。既存の雑誌で、紙版と価格を変えづらいなら、年間購読で大幅値引きを設定するなど、やり方はいくらでもあるだろう。